皆さん、円高と円安について本当に理解していますか、、?日常で使う言葉にもかかわらず、意外と理解が難しく、奥が深い円高と円安。経済、ビジネスが専門の私ができるだけわかりやすく解説します!
〇アジェンダ
①円安と円高の仕組みをわかりやすく解説します!
・円安とは?
・円高とは?
・まとめると
・初心者向け:円安と円高の覚え方
②円高と円安はどっちがいいの?
・円安のメリット
・円安のデメリット
・円高のメリット
・円高のデメリット
・まとめると
〇円安と円高の仕組みをわかりやすく解説します!
登場キャラクター
・円くん(えんくん): 日本の通貨「円」を擬人化。日本国内で元気に暮らしている。
・ドルくん(どるくん): アメリカの通貨「ドル」を擬人化。海外旅行が大好きなアメリカ人。
さて、円安と円高の話をするとき、「円くん」と「ドルくん」の関係が重要です。
〇円安(えんやす)とは?
ある日、ドルくんが日本を旅行しようと考えました。ドルを持っている彼は、円くんに「君の円をちょっと買いたいんだけど、どうかな?」と頼みます。すると、ドルくんがびっくり!
「えっ、前よりたくさんの円が買えるじゃないか!?」
つまり、ドルを円に変えるとき、少ないドルでたくさんの円を手に入れられる状態が「円安」です。
仕組み
円安になる理由は、円を欲しがる人が減ったり、円がたくさん市場に出回ったとき。例えば、日本が海外から商品をたくさん買う(輸入する)と、ドルを多く使います。これによって円の価値が下がり、結果的に「円安」になります。
ドルくんから見ると、日本旅行が大バーゲンセールみたいな状態!「お得に日本で遊べるぞ!」とテンションが上がるんです。
〇円高(えんだか)とは?
別の日、またドルくんが円くんを買おうとしました。しかし今度は困惑…。
「えっ、同じドルなのに、前より少ない円しか手に入らない…?」
これは円の価値が上がってしまった、つまり「円高」の状態です。
仕組み
円高になるのは、円が海外で人気になってみんなが「円くんが欲しい!」ってなるとき。例えば、日本の商品が海外でよく売れたり(輸出が増える)すると、外国人が円を買うために円の需要が高まり、円の価値が上がるのです。
今度はドルくんにとって、日本旅行が高級リゾートみたいな感じに。ドルを出しても、なかなか円を手に入れられず、「もう少し節約しようかな…」と考えるようになります。
まとめると
円安
➡ドルくんが少ないドルでたくさんの円を買える。海外の人が日本でたくさんお買い物するチャンス!輸出企業は嬉しいけど、輸入品(ガソリンなど)は高くなる。
円高
➡ ドルくんがたくさんのドルを出しても、あまり円が手に入らない。輸入品は安くなるけど、輸出企業には厳しい状況に。
例えると… 円安は「日本のセール期間」、円高は「日本製品が高級になった日」というイメージです。円くんとドルくんのやり取り次第で、買い物や旅行の楽しさが変わるってわけです!
と、ここまではストーリー仕立てで直感的にわかりやすく解説してみました。
もう少しちゃんと解説すると以下のようになります。
円高とは、円の他通貨に対する相対的価値、言い換えると、円1単位で交換できる他通貨の単位数が相対的に多い状態のことです。逆に、円安とは、円の他通貨に対する相対的価値(円1単位で交換できる他通貨の単位数)が相対的に少ない状態のことです。
例えば、日本人が旅先のハワイで買い物をするため、手元にある1万円をドルに両替するとします。為替相場が1ドル=100円であれば、1万を100で割った100ドルになります。
しかし、もし為替相場が1ドル=80円であれば、1万を80で割った125ドルになり、また、1ドル=125円であれば、1万を125で割った80ドルになります。
これらを比べると、1ドル=80円の場合は、1ドル=100円の場合と比べて、同じ金額の円についてより多くのドルを取得できるので、円高ということになります。
逆に、1ドル=125円の場合は、1ドル=100円の場合と比べて、同じ金額の円についてより少ないドルしか取得できないので、円安ということになります。
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〇初心者の方向け:円安と円高の覚え方
円高・円安の意味を理解しても、レートを見てすぐにどちらなのか判断するのは難しいかもしれません。初心者の方がレートからすぐに円高・円安を判断したい場合は、ドル/円などでは「円の数値が低くなれば円高、高くなれば円安」と覚えてしまうのもひとつの方法でしょう。
例えば1ドル=100円から1ドル=80円になった場合は「ドル安・円高」で、反対に1ドル=100円から1ドル=120円になる動きは「ドル高・円安」です。
ビジネスマンの基礎として、円高・円安の本質的な意味を理解することが重要ですが、慣れないうちはこのような覚え方を手がかりにする方法もあります。
〇円高と円安はどっちがいいの?
円高と円安の話題に関して、よくある疑問が「円高と円安、結局どっちがいいの?」というものです。
グローバル化が進む世界の国々と日本は、すでにモノとサービスの売買で切っても切れない深い関係にあります。
自国通貨である円の価値の変動は海外製品のコストなどに直結するため、経済と暮らしに大きな影響を与えます。
円高と円安、それぞれのメリットとデメリットを見ていきましょう。
【円安のメリット】
①輸出企業が有利
日本の製品を海外で売る企業(自動車メーカーや家電メーカーなど)は、円安だと利益が上がります。円の価値が下がると、海外で日本製品が安く感じられるため、売れやすくなります。
例えば、1ドル=100円だったときに、海外で1万ドルの商品を売れば、日本円で100万円の売上ですが、1ドル=120円になると同じ商品が120万円分の売上になります。
②観光業が活性化
円安の場合は、外国からの旅行者にとって、日本でのホテルやお土産、レクリエーション代などが相対的に安価となり、日本旅行が安く感じられます。
よって、外国人観光客が増え、観光地やホテル、飲食店などが活気づきます。
③外貨建て資産が増える
円資産を外国の通貨(ドルやユーロなど)の資産で持っている人にとっては、円安になるとその資産の価値が上がります。円に換えたときに多くの円が手に入るためです。
これは国においても同じで、日本の対外資産残高は、円安の進行に伴い外貨建て資産の評価額が円換算で膨らんだことが主因で、2023年末時点で過去最大を更新しました。
【円安のデメリット】
①輸入品が高くなる
海外から輸入する商品(石油、ガス、食料品など)の値段が上がります。円の価値が下がるため、海外から買うのにより多くの円が必要になります。例えば、ガソリンや食料品の価格が上がることが多く、生活コストが増える可能性があります。
②海外旅行が高くなる
日本から海外へ旅行する際、円安だと現地で使えるお金が少なくなります。1ドル=100円が1ドル=120円になると、同じ金額でもドルで買えるものが減ります。日本人にとって、海外旅行が割高に感じられます。
【円高のメリット】
①輸入品が安くなる
円高になると、海外からの輸入品が安くなります。例えば、石油やガソリン、食料品などの生活必需品を海外から買う場合、同じ額の円でより多くのものを購入できるため、生活コストが下がることがあります。
②海外旅行が安くなる
円高だと、海外旅行が割安に感じられます。1ドル=100円が1ドル=80円になると、円の価値が高まるため、少ないお金で海外で多くのものを購入したり楽しんだりできます。
③海外企業の買収や投資が有利
円高だと、海外の企業を買収したり、海外での不動産投資が有利になります。少ない円で多くのドルやユーロを手に入れ、それを使って投資することができるためです。
【円高のデメリット】
①輸出企業が不利
日本の輸出企業にとって、円高は大きな負担になります。円の価値が上がると、海外で売る日本製品の価格が高く感じられるため、売上が減少する可能性があります。例えば、1ドル=100円で1万ドルの商品を売っていたとき、円高で1ドル=80円になると売上が80万円に減ってしまいます。
②観光業が低迷する可能性
円高だと、外国人観光客にとって日本が高く感じられるため、観光客が減少する可能性があります。海外から見て日本が「高級な観光地」に見えてしまい、旅行先として選ばれにくくなります。
③外貨建て資産の価値が減る
外国通貨で資産を持っている人にとって、円高になるとその資産の価値が、円安時に比べて目減りします。
円に換えたときに少ない円しか手に入らないためです。
よって、昨今の外貨資産ブーム状態で急に円高に突入すると、阿鼻叫喚の嵐になるわけです。
まとめ
それでは、ここまでの内容をまとめます!
円高は日本円の価値が高まり、輸入品が安くなる一方で、輸出産業が不利になります。円安は日本円の価値が下がり、輸出企業に有利であるものの、輸入コストの増加につながります。円高・円安は、経済状況や金利差、国際的な市場の動きなど、多くの要因によって変動します。
図にまとめると下図になります!
おわりに
さて、ここまで円安・円高について解説してきましたが、いかがでしたでしょうか。今回は比較的わかりやすい部分にのみ絞ってお伝えしました。次はもう少し深ぼって解説していきたいと思います!
それでは引き続きよろしくお願いします!
〇参考文献
https://www.boj.or.jp/about/education/oshiete/intl/g18.htm
https://www.gaitame.com/beginner/fx/riskhedge.html